以下は、とある患者さんによるお悩みです。
「このまま院長が治療してくれるのかな?」と思ったけれど、いざ治療となると別の先生が登場…なんとなく不安になりました。
どうして院長ではなかったのでしょうか?また、こういったことはよくあるのでしょうか?
院長が初診の問診をしてくれたのに、実際の治療は別の先生が担当に…というケースですね。
実はこれ、よくあるんです。
とはいえ、「私の事情は院長に話したのに…本当にこの先生で大丈夫?」「私はどうでもいい患者なの?」と不安に思われますよね。
そこで今回は、歯科医師が複数人いる歯科医院で、院長が診てくれない理由をお話します。
院長以外の歯科医師(勤務医)の役割
院長以外の勤務医というのは、通常その医院に3~5年くらい勤務していることが多いです。
その後は次の医院に行く人もいれば、開業する人もいます。
勤務先にとって歯科医院とは、主に「修行機関」という位置づけです。
院長がスキルも技術力もあるため治療の中心となって、その院長を見習いたいという人が勤務医となります。
患者さんに対する担当医の振り分け方
どの患者さんをどの歯科医師が担当するかは、好き嫌いや、その患者さん個人が面倒かどうかなどの個人的感情で決めるわけではありません。
歯科医院としての役割から振り分けられています。
その役割とは、
- 院長はスキルが高く経験値があるため、難しい治療を担当
- 勤務医は難しくない治療や、保険治療、削る・詰めるなどの簡単な治療
というものです。
「初診で院長が問診してくれたのに…」と思われるかもしれませんが、もちろん院長もレントゲンを見たりなど勤務医をフォローしています。
ですから、安心して治療を受けてくださいね。
あくまでも、役割が違うと認識することが大切です。
どうして患者さんを振り分ける必要があるのか
そもそも、なぜ患者を振り分ける必要があるのでしょうか?
それには日本の保険制度が関係しています。
私たち患者にとって、保険制度があることでどこの歯科医院でも同じくらいの値段で受けられるというメリットがあります。
けれどそれは、歯科医院からすれば、1年目のドクターも20年目のドクターも同じ治療内容だと同じ値段ということになります。
他の業種で例えると、美容師は同じ店でも新人と店長では技術や経験値の違いから値段に差が出る、ということがよくありますよね。
ですが、歯科医師は保険制度で値段が決められているため、いくら技術や経験値があっても値段を変えることができません。
そのため歯科医師が複数人いる歯科医師では、難しい治療は保険外のため院長が担当し、保険治療は勤務医が担当するという役割になりがちなのです。
まとめ
今回お話したように、院長と勤務医では役割が違います。
・複数人の歯科医師がいる歯科医院で院長以外が担当になったからといって、「この患者はややこしそう」「面倒だから嫌だ」という理由で振り分けられたのではない
・歯科医師には役割があり、難しくない治療は誰がやっても変わらないため勤務医が担当し、難しい治療は院長が行うという場合がほとんどである
ぜひこの機会に覚えて、安心して歯科医院に通ってくださいね。
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